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【論文紹介】KATHERINE試験のサブ解析

本日は文献紹介です。 Ann OncolにKATHERINE試験の追加解析が報告されました。 KATHERINE試験は、HER2陽性乳癌に対して、術前化学療法後に残存病変を認めた場合のT-DM1 vs トラスツズマブのphase3試験でした。 KATHERINE試験のサブ解析 ・HR発現の有無、アンスラの有無に関わらず、T-DM1の効果あり ・T-DM1群とトラスツズマブ群で脳転移は変わりなし(発症までは遅い) ・T-DM1群で肺障害やや多かった ・プラチナレジメン後で血小板減少多かったが、T-DM1群でG3以上の出血は増えず ・ベースラインでの強い末梢神経障害の改善率は6割程度、軽度で8割程度(T-DM1で末梢神経障害は増える) 有害事象はT-DM1でやはり増える面はありますが、マネジメントで考えるべきポイントも示唆してくれた臨床でもすぐに役立つ重要な報告でした。 https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(21)01168-6/fulltext?rss=yes Terada
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【仕事効率化tips】文献管理・論文作成ツール紹介

こんにちは! 若者たちへ、昔の私がつまづいたこと、何も知らなかったあの頃の私に教えてあげたかったことを少しずつシェアしたいと思います。 今回は基礎編、論文作成の効率化に関して。 限りある時間を無駄な単純作業に費やさないために、便利ツールをご紹介します。 みなさんは参考文献を示すときどのようしているでしょうか? 上付き文字で数字を順番に挿入して、本文末に著者とタイトル、雑誌を書き写して...を手入力で根性出してやったりしていませんか? あとから参考文献を追加することになり、げんなりしながら1個1個数字をずらしたり、はたまた投稿先の雑誌を変えるごとに体裁を合わせてすべての参考文献を書き直したり、、、 なんてことしていませんか? そんなあなた。 ちゃんと便利なツールを使いましょう! 文献管理ソフトを使えば、クリックのみで一瞬にして上記のような作業が終わります。 後から追加した文献も自動で番号を更新、雑誌特有の体裁変更も雑誌名をクリックするのみで全て整います。 もうこれなしで論文なんて書けませんよ! 最も有名なのは「EndNote」というソフトで、多くの医師や研究者の間で使用されています。 しかし、最新版を普通に購入しようとすると6万くらいする! 大学や、所属先から支給してもらえるのであればよいと思いますが、学生、若手医師にとっては大きな額ですね。 でも大丈夫。 なんと無料でほぼ同様のことができてしまうサービスがあるのです。 私のおすすめは「Mendeley」です。 https://www.elsevier.com/ja-jp/solutions/mendeley PDFをドラッグ&ドロップしたり、pubmedIDやDOIを入力したりするだけで、自動で論文情報を抽出してクラウド上に保存してくれますし、インポーターをダウンロードしておけば検索サイトなどweb上からでも情報を取り込むことが可能です。 もちろんwordのplugin機能を使えば一瞬で論文情報を原稿内に入力でき、有料のEndNoteと変わらぬ機能性です。 PDFビューワーも内蔵されているので論文を書く際に便利なだけでなく、日頃から論文を読んだり、メモを残したり、文献の保管・記録にもとても便利ですよ。 クラウド管理なので複数の端末からもアクセスが可能なのも魅力です。 もうひとつ、私は使ったことはありませんが「

【論文紹介】BYLieve試験 CDK4/6阻害薬の後治療(PIK3CA変異があったなら)

今回は、最近出た論文をシェアします。 Lancet OncolにBYLieve試験の結果が、論文化されました。 https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(21)00034-6/fulltext CDK4/6阻害薬後のPIK3CA変異ありに対する、alpelisibのphase2試験。 Median PFSは7.3ヶ月。6MのPFS rateは54%。 単アーム試験&セッティングも異なりますがSOLAR-1の結果と比べても遜色なさそうな印象。 現状、CDK4/6阻害薬の後治療は議論がわかわれるところですが、PIK3CA変異ありであれば、CDK4/6阻害薬後の治療は、PI3K阻害薬併用という流れにはなっていきそう。 日本では使えないので、相変わらず悔しいところです。 これからもちょくちょく文献の紹介はしていこうと思います。 Terada

BRIDGE 公式ブログはじめました

 BRIDGEの公式ブログをはじめました。 BRIDGEは愛知県を中心とした若手乳腺科医が最初の一歩を踏み出す学舎として立ち上がったグループです。所属や立場を超えた交流を通して、将来の団結した地域医療を目指します。 そのホームページが立ち上がりましたので、それとともにブログをはじめます。 このブログでは、若手乳腺科医や乳腺診療に興味がある学生さんに向けて、役立ちそうな情報や世話人たちの日常を綴っていきます。 予定している内容は ・乳腺科医のさまざまな日常 ・乳癌関連の最新文献の紹介 ・乳癌関連のおさえておくべき文献の紹介 ・便利ツールの紹介 など 乳腺診療に携わる先生が情報集する場にしていただき、学生さんには乳腺診療に携わる医師が日頃どのような働き方をしているかをイメージする手助けになればと思います。 それではみなさん、乞うご期待を。 Terada